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シーサイドコートマガジン Vol.7 一足先に春を出迎え、コートを脱いでいざ鎌倉へ。
春の陽気に誘われ、ひと駅散歩へ。
草花や鳥や虫たちも活動をはじめる、芽吹きの春。冬の間、こもりがちだった体を動かし、春の到来を謳歌するべく戸外へ…、ということで新緑が映える北鎌倉へ出発しました。電車に乗れば、鎌倉からは、たったひと駅の北鎌倉。しかし、今回はせっかくですから、ハイキング気分で歩いて向かうことに。小町通りの賑わいの中、道沿いのお店をのぞきながら進みます。途中、愛宕神社に向かう道へ左折し、横須賀線沿いの小川が流れる狭い道を通り過ぎ、岩舟地蔵堂の小さな社を右折。ゆるやかな上り坂を行くと亀ヶ谷坂切通しが見えてきます。三方を山に囲まれた鎌倉では、交通の便宜を図るためにいくつもの“切通し”が作られましたが、その中でも重要なものが“鎌倉七切通し”と呼ばれるもの。むき出しになった岩肌にさわってみると、とても硬くその強固さが分かります。この岩盤を人力だけで掘削したとは、昔の人には頭が下がります。
上/岩船地蔵堂
下/亀ケ谷坂切通し
車の進入が禁止されている亀ヶ谷坂切通しを抜けると、鎌倉街道へとぶつかります。横須賀線の踏み切りの手前から細い生活道路に入れば、いよいよ北鎌倉です。

駅前に位置するのは、鎌倉を代表するお寺のひとつ円覚寺。総門を抜け階段を上がると、まず驚かされるのがその広さ。歴史を感じさせる山門(三門)をはじめ、名刹の威厳を示すかのように約6万m2の広大な境内には、庵やお堂、18もの搭頭などが点在。建物の荘厳さと美しさに圧倒されます。また、方丈の裏手の庭園・妙香池など、思わず見とれてしまう癒しのスポットも。見事に掃き清められた境内からは、禅寺の凛とした趣を感じます。
山門
妙香池
境内をひと回りした後、鎌倉三名鐘と呼ばれる中のひとつである“洪鐘”(国宝)を見ようと、山門(三門)の横の石段へ。なかなかに急な勾配と100数十段という石段の数におよび腰になるも、自らを励まし上へと登ると、北条貞時が造らせたという見事な鐘と対面。その大きさに感心しながらも、しかし視線は奥のお休み処へ。弁天堂見晴茶屋と名付けられたここでは、甘酒やあんみつ、トコロテンなどがいただけるとか。眼下には自然あふれる北鎌倉の景色が広がっています。
洪鐘(国宝) 弁天堂見晴茶屋 弁天堂見晴茶屋からの景色
円覚寺 所在地 鎌倉市山ノ内409  電話 0467-22-0478
北鎌倉駅徒歩1分

拝観料 大人300円 小人100円
昭和の純日本家屋でいただくビーフシチュー「去来庵」
店構えというより、“邸宅”構えという方が正しいような風情ある数奇屋風の門が印象的で、その佇まいからは和の食事処といった雰囲気ですが、実は北鎌倉で20数年もの間人気を誇るビーフシチューのお店の「去来庵」。もともとは別荘として昭和初期に建てられた家を、現在店舗として使っているとか。なるほど、随所にまで細かい造作が施され、古都・鎌倉にふさわしい趣ある建物で、「鎌倉市景観重要建築物」に指定されているというのもうなずけます。
去来庵
店内に案内され席に着くと、間もなくしてオーダーしたビーフシチューセットが運ばれてきます。まずは美味しそうな褐色のソースの色合いに驚き、次にお肉の柔らかさに驚き、そして食してみればその味わいに驚き…、と何度も驚かされる一品です。フォークとナイフは一応付いてはいるものの、使う必要はまったくありません。スプーンで簡単に切れるほどお肉は柔らかく仕上げられています。うかがえば、お肉は大きなかたまりのままじっくりと煮込み、一日寝かせたあと余分な脂身を取り除き、その後大ぶりにカットするなど、その仕込には何日も要するという手間のかけようである。そして、そのソースは牛肉のコクや旨みがしっかりと味わえますが、しつこさはまったく感じさせない絶品。若い方はもちろんですが、高齢のお客さんも意外に多いのにびっくりです。
ビーフシチューセット
(ブイヨンライス(またはトースト)、サラダ、コーヒー(または紅茶)付き)
四季折々の変化が楽しめる美しいお庭を眺めながら、昭和の純日本家屋でいただく洋食。これこそ鎌倉の歴史とモダニズムを象徴する…、いいえ野暮な解説はこの際なしにしましょう。散歩の途中で美味しいものを、とお考えならぜひ一度お立ち寄りになることお勧めします。
昭和初期に建てられた別荘を店舗として改装
去来庵(きょらいあん) 〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内157
電話:0467-24-9835
営業時間  11:00〜15:00 定休日/金曜日

ビーフシチューセット…2,625円