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シーサイドコートマガジン Vol.10 車窓から見る、江の島百景
江の島乗り物考
江ノ電
 猛暑のせいか、いつもの夏より多くの人で賑わった今年の江の島。ところで、みなさんは、どのような方法でこの地を訪れていますか。夏の風物詩となった海岸線沿いの渋滞を覚悟の上、車で向かうという方もいるでしょうが、江の島の風情を味わうのなら電車がお勧めです。藤沢から出発するのは、ご存知“江ノ電”。明治35年9月1日、日本で6番目の電気鉄道として産声を上げた江ノ電は、以来約100年間にわたり沿線の住民、そして江の島・鎌倉へと向かう観光客を運び続けています。 どんな乗り物でもそうですが、先頭車両の進行方向の座席は子供たちの特等席。ドアが開くと同時に、子供たちが我先にと腰掛けます。ここから終点鎌倉まで約10kmの道のりを、電車は30数分をかけてゆっくりと走ります。途中「腰越」あたりでは、路面を車と並走したり、さらには民家の軒先や庭先をかすめるように走ったり、はたまたトンネルを通過したりと、短い路線ながらさまざまに変化する車窓を満喫。湘南の街々を一度に堪能するにはもってこいの移動手段です。
 江ノ電が伝統の路線とするなら、後発ながらもうひとつ人気の電車が湘南モノレールです。こちらは昭和45年に営業を開始、大船駅を起点に湘南江の島駅まで6.6kmを走行。その魅力はなんといっても爽快感です。モノレールという特性上、一般の線路を走るのではなく、上部の軌道にぶら下がるように走行するため、視界は良好。まさに空中散歩の趣です。眼下に広がる街や人、四季折々の自然を楽しみながら江の島へ・・・。定番の江ノ電とはひと味違った気分が味わえます。
湘南モノレール
エスカーのりば
 最後にちょっと番外編。江の島といえば忘れてならない乗り物が“江の島エスカー”です。島の頂上までの高低差46メートルを、全長106メートルのエスカレーター(全4連)で結び、上がるというもの。お年寄りや子供づれの家族はもちろん、息せき切って頂上に行くのではなく、スマートにエスコートできるためカップルからも好評の、隠れた人気の乗り物です。
もうひとつの、スイーツな江ノ電に出会う
 江の島といえば江ノ電と紹介しましたが、実はもうひとつの!?江ノ電があるのをご存知でしょうか。江の島駅改札口を出て右折し、踏み切りを渡り歩くこと数分。すると道路沿いに、不思議な光景が見えてきます。「和菓子司 扇屋」と年季の入った看板の店構え。その横になんと江ノ電の車両が、店の中から飛び出しそうにこっちを向いています。それもそのはず、こちらは「江ノ電もなか」で有名なお店で、創業は江戸時代・天保年間という老舗です。平成2年3月に現役を引退した車両の前面部を、江ノ電より譲り受けて設置しているのだそうです。しかも屋根の上にはパンタグラフ、そして庇の下には踏み切り警報機が設置してあるという徹底ぶりです。 これだけ凝りに凝った店構え、当然「もなか」の方もひと工夫されています。10本入りの包装紙には、路線図と名所のイラストが描かれていて、これを開くと車庫に見立てた箱が登場。さらにその中からは、歴代の江ノ電車両を模した箱に、一本一本入れられた『もなか』が入れられています。 お味の方は、胡麻餡・梅餡・ゆず餡・漉し餡に求肥・粒餡に求肥の5種類が揃っています。ただ単に甘いのではなく、飽きのこない工夫がなされているので、甘いものが得意でない方にもお勧めです。確かな伝統の技に加え、遊び心もたっぷり、どこか懐かしくて、いろんな味が楽しめる・・・。まさに、湘南のお土産にぴったりのお菓子です。
江ノ電もなか
和菓子司 扇屋

住所 神奈川県藤沢市片瀬海岸1-6-7
TEL 0466-22-3430
開店時間 9:00〜17:00
(売切れの場合、早めに閉まることもあります)
不定休
和菓子司 扇屋